一歩、間違ってからの、心中
「えんじ色心中」(19/144)
読み終わって気が付いた
この作品、心中の話なんだと
自殺、殺人、心中
気持ちによって
ていうか、「気分」によって言い方は変わる
息子を殺したと供述後
殺していない、無実だと主張を変える父
この親子の物語をなぞるかのように
小学六年生の受験生の物語と
進行していく
ミステリとして読むならば
この三つの話を関連性を解き明かすという楽しみも当然ある
最後にはこの三つの流れが一つになるというカタルシスを
しっかり楽しめるだろう
がしかし
本作品はもっとシンプルに楽しんだ方が良いかもしれない
人は誰でも、すぐに、一歩間違えば
自分のせいの場合もあるし
完全に他人のせいの場合もあるが
ま、いともたやすく悲惨になれるということを
その悲惨の先にあるのが
自殺、殺人、心中であり
さらには全てがミックスされた一方的な心中未遂だったりする
一歩、間違えば
そこには「心中」が待っていて
時が経つうちに「心中」しか選択肢が残っていないという状況に追い込まれる
何と心中しますか?
親と?
恋人と?
日本と?
子どもと?
そう、心中は一人では出来ないのです
せめて、心中したい
なんて思ったりして
重い気持ちになりますが
そんな気持ちになってみることも
必要なのかもしれません
とてもじゃなくて、ちょっと疲れた時に読むと
よいかも
この淀んだ世界に身を埋めてみては
※はてな年間100冊読書クラブ
(20131021-20141020.164/144)
(20121021-20131020.161/144)
(20111021-20121020.166/144)
(20101021-20111020.159/144)
(20091021-20101020.150/122)
(20081021-20091020.139/122)
(20071021-20081020.134/122)
(20061021-20071020.133/122)
(20051021-20061020.128/108)