趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

意外な苦悩

切り裂きジャックの告白」(99/144)    

 

あの切り裂きジャックが東京に

臓器が抉り出された死体

悪夢の連続殺人事件

 

実にオーソドックな警察ものミステリ

異常な事件

異常な犯人像

そこにミスリードされないように

強烈な自制心をもって操作に挑む刑事・犬養

 

異常だからこそ

そこに隠された動機がある

フェイクに騙されるな

 

でも、犯人のフェイクは何重にもめぐらされている

逆に、フェイクではないのに

警察サイドが勝手にフェイクと思い込むパターンも

 

そんな

犯人と警察、作者と読者の駆け引きの底に流れる

臓器移植という社会的な問題

脳死とは何か

臓器を提供した側に残された人の気持ちは

そして、本作品で印象深かったのが

臓器を提供された側の「苦悩」……

人の死から発生した臓器移植という医術により

生き延びることが出来た人が

他人から命をもらったという事実に

耐え切れなくなっていく

この新たな命に対する周囲からの過剰な期待に

徐々に潰されていく様は

あまりにも意外でした

死の病からの生還を

素直に喜べないとは、なんという矛盾

考えさせられました 

 

 

 

もう一つの趣味は「ランニング」ですから

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