来年は球場に行こう
「勇者たちへの伝言」(19/144)
不思議な作品です
普通の生活とファンタジーと
小説とノンフィクションと
日本と北朝鮮と
実在の人物と物語の登場人物と
一見、乱暴に同じバケツの中に投げ込まれて
ガチャガチャに混ぜられただけ
なような気がするもの
最後には
実に美しい一枚の絵になっている
その絵を中心というか背景にあるのが
この設定が巧い
阪神じゃない
大阪じゃない
歴史的背景も含めて
大雑把なようで
実に緻密な計算がされている
巧い
そもそも野球場というマジカルワールドは
ずるいです(笑)
屋根がない球場が持つ魔法は
半端ないです
タイムスリップくらいお手の物です
球場にある音、色、空気
一度でも行ったことがあるならば分かるはず
作中にもあるように
野球のルールとか勝負とかを超越した
そこにはあるんです
実に過酷な運命を描いているのですが
球場があることで
実にバランスよく、読みやすい作品になっているのかと
元放送作家さんらしい軽妙な語り口で始まるも
実に厳しい人生に切り込んでいく
サービス精神が旺盛なのか
様々な仕掛けを用意しすぎている感は少しありますが
それはそれで
エンタテインメントしているので問題ないでしょう
この作家が
今後、何を書いていくのか
何を読者に伝えようとしていくのか
非常に興味深いです
(20141021-20151020.165/144)
(20131021-20141020.164/144)
(20121021-20131020.161/144)
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(20101021-20111020.159/144)
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(20081021-20091020.139/122)
(20071021-20081020.134/122)
(20061021-20071020.133/122)
(20051021-20061020.128/108)