イメージするという戦い
「バスジャック」(39/122)
三崎亜記作品、多分、初読です。
かなりの衝撃度でした。
この短編集。
最初、なんだか意味がわからないんです。
文字を追っているだけだと、
もう、支離滅裂っていうか、滅茶苦茶。
ごく日常的な描写なんだけど、
書いている内容が、突拍子もないっていうか、
なんというか、、、
でも、これは、
作者から、戦いを仕掛けられていると思うんです。
この作品内の乖離を、
読者のイマジネイションをフル稼働して整理してみろと。
そして、読者なりの世界観を組み立ててみろと。
与えられたものをそのまま受け入れて喜び、楽しみ、悲しんでいるような、
ひ弱な奴らは去りなさい、ってことなのかも。
中では「動物園」が一番好きです。
人は、一体、何を見ているのだろうか。
見る時に、本当は「視覚」という機能を使用していないのではないか。
そんな、イメージで心満たされていく、
至福の時を享受できました。
すぐ読めるけど、すごく楽しめます。
オススメです、読書好きには、是非。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 三崎亜記
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/11
- メディア: 文庫
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