趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

情けない人達大集合

「放火魔」(81/122) 
 
 
叙述の折原一の短編集。
 
俺俺詐欺
放火
連続殺人
交換殺人
リフォーム詐欺
 
なんか、冴えない人たちばっかり出てくる。
中途半端な奴らばっかり。
ここまでカッコ悪い人たちが勢揃いすると、物凄い。
普通、犯罪に手を染めるならば、
それなりのドラマとか、不条理とか、倒錯があってほしいのに、
この短編に出てくる奴らは、
みんな、何ていうか、そのまま。
飾らない犯罪者が繰りひろげる怠惰な犯罪ばかり。
でも、それが現実なんでしょう。
クライムノベルのような展開を夢見て、
犯罪を犯す人なんているわけないし、
劇場型犯罪とかいうけど、所詮、犯罪は犯罪だし。
 
がしかし、その冗長さが、
物語の根源に潜む恐怖を増長させています。
超怖い。
すぐそこにある怖さ。現実的な怖さ。
半径100メートル以内にある恐怖。
平穏の影に何かがある。
ダメな人はダメな犯罪をする。
それがリアル、本当に怖い。避けられない。
 
こういうタイプ書くんだ、折原。
さすがです。
  
  
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

放火魔 (文春文庫)

放火魔 (文春文庫)

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