待ち人、来ず
「田村はまだか」(35/144)
実に気持ちが良い。
この読後の気持ちが良い。
そうなんだよ、みんな。
そうやって暮らして、生きているんだよ。
特に難しいことをやってるわけじゃないんです。
かといって、楽勝でもないんです。
ものすごく厳しい時もあるけど、それでいいんです。
クラス会の三次会。
そこは薄野の小さなスナック。
ダラダラ飲み好き仲良し(?)五人組が、
訳ありマスターと一緒に、田村君を待っています。
田村はまだか
天候不順により、なかなか辿りつけない様子。
イライラって感じじゃないけど、
ソワソワしながら待ちます、田村を。
田村君は「幸せ」な子供では無かったようです。
そんな田村を思い出すと、
5人それぞれの、どちらかといえば「苦い」思い出が甦ります。
それは、学生時代の事であり、
社会人なりたて時期の事であり、
つい最近の事であり。
酒の飲みながら、
酔いながら、田村を待ちます。
僕の「田村」はいるのでしょうか。
多分、いないな。
寂しいな。
でも、仕方ないな。
そうやって生きていくんだから。
心の隙間を埋めてくれる名作かと。
初の朝倉かすみ、でした。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
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