趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

100%じゃ、ダメなんだ

ゴールデンスランバー」(38/144)
  
 
やっぱ、クラスが違う。
伊坂幸太郎
面白い、って言葉じゃ表現できない。
なんだろう。
とにかく、心が動く。
この動き方が、普通じゃないんだよね。
なんで、こんなに、読んでて、楽しいんだろう。
もう、叫びたい。
イサカを読め〜〜〜〜〜〜って。
 
 
巨大な陰謀により、
総理大臣暗殺者と「断定」された男、青柳の話。
基本は、逃げる。
そして、逃げる。
とにかく、逃げる。
その青柳をサポートする人々。
昔の友人、職場の仲間、初見の人。
 
見えない何かに戦いを挑む青柳。
その姿に、意味も無く賛同する人たちの美学。 
それに相対するのは、
曖昧模糊としたマスコミ、そしてマスコミを「盲信」する大衆。
 
ハッキリいって、それだけの話なんです。
でも、
でもでも、凄いんです。
  
  
木村俊介の解説も超的確、納得。
個人的に思ったのは、
物語が、いつも100%じゃない、
ってところに引きずり込まれるのかなって思いました。
 
辻褄が合うことよりも、
大事なことが、
小説にはあると思うんです。 
でも、
辻褄があっていないと、
小説は、確実に崩壊します。
  
その間。
そこに、この作品は位置します。
伊坂作品は存在します。
100%の物語じゃなくて、
ちょっと欠けている、微妙に足りないストーリーなんです。
その欠落部分が。
絶妙な加減の足りない部分の具合が、
彼の才能なんだと思いました。
  
 
やっぱ、伊坂に間違いなし、と確信した一冊でした。

  
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

ゴールデンスランバー (新潮文庫)

ゴールデンスランバー (新潮文庫)

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