小説は「締め」が大事、というお手本の作品
「掏摸」(98/144)
また、素敵な作家に出会ってしまいました……
ああ、時間が、足りない
スリの男の話です
犯罪者の話です
華麗なるスリの描写にウットリします
ミラクルな指の動きを
活字が淡々と刻んでいくエクスタシー
圧倒的な文字力です
登場する絶望的な母と息子と、絶対的な悪人
次々とやってくる状況に対応すべく
超人的スリテクニックを繰り出す主人公
美しも悲しい文字の羅列
そして、この結末
結果は大体の読者は予想できたと思います
だけど
それを、このような表現で、我々に、提示するとは……
ネタバレなので
ここで止めておきます
200ページ弱の作品です
すぐに読めます
で、途轍もなく、心に沁みます
たった470円(税別)で、これだけ、心を動かしてもらえるのですから
だから
読書は
止めらません
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 中村文則
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2013/04/06
- メディア: ペーパーバック
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