趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

リアルな恐怖は愛を孕んでいる

「アイズ」(41/122)



ホラーの巨匠、鈴木光司の短編集。
八つの恐怖が、待っています。


でも、全ての恐怖に、愛を感じます。
親子の愛。
男女の愛。
友への愛。
愛があるから、深みのある恐怖があるのです。
薄っぺらい恐怖は、怖くないです。
遊園地のお化け屋敷と一緒です。
恐怖というイメージを纏った「笑い」ですから、所詮。
それも、即物的で、すぐに消えてしまう類の「笑い」ですから…


お気に入りは、「しるし」かな。
父親と娘という関係から繰り広げられる恐怖。
母親と息子という呪縛にアンチテーゼを投げかけている恐怖の裏側にある幸福。
けっこう、奥が深くて、しんみりきます。
ラストの四行、秀逸です。




はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
http://ameblo.jp/yonyonsan/

アイズ (新潮文庫)

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