嘘の描き方
「TENGU」(38/122)
ノンフィクションライターが書くフィクションですか。
荒唐無稽な設定を、
奇想天外な結末を、
あまりにも嘘っぽいからこそ、
実は、本当なんじゃないの、、、と読者を翻弄する、
巧みな文字の流れの中に、
しっかりと収めてくる。
26年前の「猟奇」的な殺人事件の謎を、
通信社の記者が、
過去の知人の警官の資料とともに解き明かしていく。
米軍の関与、DNA鑑定の結果。
寒村で独り、盲目の女性の哀しい生き様。
やっと人と人の触れあいを求め合う男と女。
そしてベトナム戦争と911テロ。
本線は、当然、連続殺人の犯人を探す物語なんだけど、
最後は、
不思議な読後感が待っています。
これ、嘘だよね、嘘であってほしいよね。
でも、こういう現実も、あるかもしれないよね。
というか、
真実なんて、きっと、嘘なだよね、と。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 柴田哲孝
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/03/12
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 6回
- この商品を含むブログ (25件) を見る