趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

女はわからない。男も不思議だ。

「冬の伽藍」(47/122)



実は初小池真理子、かも。
前に呼んだ「メルカトル」から、
思いっきり離れてみよ〜〜と思って、
前から友人に薦められていた、
めったに(というか殆ど)読まない恋愛小説を手にとってみました。

王道ですね。
もう、
恋をするとは、
こういう事を言うのでしょう。
人間の醜さの中にのみ存在する、
シンプルに好きだ、嫌いだという、この崇高な美しさ。
なかなか良いですよ。



始まりから、
ウェットウェットウェットな展開に
ホッとしつつ、
やはり、恋愛と死は相性が良いという事実に、
改めて気づかされ、
軽井沢、医院という設定に著者の技を感じる前半。


<ここからネタバレです>













でも、どーして、あんなエロ爺に惹かれるのか?
あんないい女が?
悠子には、もう少し、理性働かせてほしかったな。
駄目な方、ダメな方に自ら進んでいく女、理解不能。


で、やっぱ殺しちゃうんだ。
男って、単純なんだか、複雑なんだか?
基本、子供っぽいね〜


で、文通ね。
切ないね〜
二人とも、意地はっちゃって。
そこらへんがかわいいよね。
そうじゃなくっちゃ、恋愛は盛り上がりません。


そしてラストシーン。
ホームでの情景、目に浮かびます。
薄い世界の中で、
激しい感情が、まさに振れ合い、爆発する瞬間の、
一番、美しいポイントで、
幕切れです。
実に巧み。
ここが小池真理子の凄さなのでしょう。
このシーンの為に積み上げられた570頁の、
素晴らしい仕事ぶりにも、感動、ですね。


秀逸。






はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

冬の伽藍 (講談社文庫)

冬の伽藍 (講談社文庫)