趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2011-01-01から1年間の記事一覧

ありけないけど、どこかリアル、なぜか日常

「プラ・バロック」(121/144) 女性刑事もの。 よくあるパターン・・・かと思いきや、 ちょっと不思議。 主人公クロハ、暗い。 帰宅して「セカンドライフ(懐かしい!)」みたいな3Dコミュニティに逃げ込む。 その世界の中のバーで語らう。。。 って、おかし…

正論

「図書館内乱」(120/144) シリーズ第二弾。 図書館の自由を守るべく 隊員は戦う。 今回はフィジカルなバトルではなく、 メンタルな、サイコなバトル。 自由、検閲をめぐり、 各々の思考は回転する。 その回転する「軸」は何か? その軸はブレていないか。 そ…

これが、短編推理小説だぜ

「火村英生に捧げる犯罪」(119/144) 有栖川の本格短編。 全てがストレートに本格。 どれも素晴らしい出来です。 惚れ惚れしちゃう。 長編とは違った楽しみ方をしたいですね。 そもそも、長編と短編は「目的」が違うと思うので。 同列に並べたら、 それは書き…

またしても、米澤クオリティ

「儚い羊たちの祝宴」(119/144) え、ゴシックホラーですか!? あらら、高校生じゃないんですか!? 米澤なのに。 でも、この5つの短編は素敵です。 昭和?大正?明治? そんな昔が薫る作品たち。 良家の子女を巡る物語は、 基本的に残酷ですが、 それ故に…

ナイス、涼子!

「推理小説」(118/144) 秦建日子、これ読むの難しいですよね〜 さて、今更ですが、読みました。 当然、秦、初読。 テレビドラマ「アンフェア」の原作本です。 篠原涼子さんの当たりドラマ。 ドラマは見たことないですが、ナイス・キャスティング!だと思いま…

なぜ、合衆国の、田舎町には、ドラマが、あるのだろうか?

「愛おしい骨」(117/144) 良くあるパターンのミステリ。 でも、超面白いから安心してください。 特上の人間ドラマがありますから。 それにしても、 本当に北米ミステリはこのパターンが多い。 なぜだ・・・ やはり歴史がないから? 歴史がない土地に、歴史を…

本当に面白くて且つ心が抉られる

「太陽の坐る場所」(116/144) 辻村深月は本当に面白い。 あるクラス会が発端の話し。 普通の高校生が、 卒業して開いているクラス会から展開される話し。 それだけなのに、 なんで、こんなに、面白いのか。 不思議だ。 誰が来る?誰が来ない? どうして? た…

本を読む自由

「図書館戦争」(115/144) 本が好きな人は、 必ずや、必ずや、 好きになる作品だと思います。 有川浩、ありがとう。 読書の自由を守るため、 武装する図書館。 この突拍子もない設定が、 なんか、凄いリアルに感じる最近。 検閲行為は全てが悪ではないと思い…

やっぱり、好きだ

「流星の絆」(114/144) 東野圭吾! うまいよ。 この「白夜行」テイストの作品、 書かせたら、間違いなく天下一品だね。 相当汚れてるんだけど真の根はピュア、な世界観をここまで上手に書かれたら、 もう、読者は、イチコロでしょ。 後半300ページ、一気読み…

ゴッドファーザーから学ぶ

「フランキー・マシーンの冬・上」(112/144) 「フランキー・マシーンの冬・下」(113/144) いかしたマフィア・ストーリー。 引退した殺し屋のもとに、 過去の負の遺産が。 フランクは今は、 海辺で「餌屋」としつつ、 リネン業者を営む元マフィア。 元とはい…

血沸き肉躍るって、こういうことか

「射雕英雄伝(1)」(111/144) 敬愛する先輩レコメンドシリーズ第三弾は、 なんと、武侠小説です! 宋末元初の激動期。 13、14世紀あたりの中国を舞台としたドラマチックな物語。 もう、強い奴らのオンパレード! 繰り出す技のバリエーションの豊富さに圧倒。 …

素敵な警察官たちが登場する挨拶代わりの一冊

「アナザーフェイス」(110/144) 堂場の警察モノ、 久しぶりかも。 どうしても「鳴沢了」シリーズの印象が強くて。 鳴沢好きとしては、 なかなか他の作品に手が出なかったのですが、 敢えて、本作、選択しました。 主人公、大友鉄は、鳴沢とは大きく違ってま…

・・・言葉にならない

「悼む人・上」(108/144) 「悼む人・下」(109/144) なんという作品だ。 死者を「悼む」人の物語、だ。 どう鑑賞して、言葉にすれば良いのか分からない。 この読後の、柔らかな心を、気持ちを。 この優しさは、死の優しさなのだろうか。 そんな単純なことじゃ…

以下、全てネタバレです

「殺戮にいたる病」(107/144) とりあえず、我孫子武丸です。 ミステリ好きな人なら、 ちょっと、残酷だけど・・・間違いなく「必読書」かと。 以下、ネタバレです。 で、実にシンプルな叙述トリック。 たった1ポイントに絞り切ったところが巧み。 読みながら…

「青春」という名の覚醒剤

「武士道セブンティーン」(106/144) ただ、 高校生の女の子が、 剣道をしているだけの物語です。 人もも死にません。 悪い人もいません。 未解決な事件もありません。 更に言えば、 色恋沙汰すらありません。 前作からの早苗と香織が登場しつつ、 新キャラ、…

何もない話

「カルトローレ」(105/144) 空想、妄想。 人の想像力は果てしない。 本作品、無限に広がる。 特に結末があるわけではない。 作品に出てくる「船」の謎を巡る物語、、、と思いきや、 あくまでも「船」は船だったりする。 その船から下りてきたタフィは、 膨大…

人の「醜い部分」のことを個性と呼ぶのか

「玉蘭」(104/144) 上海に突然留学した女。 逃げた女。 仕事から、 男から、 家族から、 そして日本から。 その女、有子が父から与えられた大伯父の旅行記。 20世紀初頭、彼、質も上海、広東、中国に逃げた。 そこで年上の「性悪」女、浪子に捕まる。 いや、…

なぜ、今、これを読むのか

「深夜特急 香港・マカオ」(103/144) それは、敬愛する先パイに薦められたから。 すいません、つまらない理由で。 でも、そういうキカッケが大事だったりするんです、人生って。 何気ない「動機」が、 とてつもない「行動」を生み出し、 破壊的(にGood or B…

最後の恋

「きみはポラリス」(102/144) 初・三浦しをんです。 恋愛小説、あまり読みませんが、 読まず嫌いはイケマセン。 で、読んでみて、 改めて、恋愛という物語の強さ、実感。 好きとか、嫌いとかだけなのに、 それだけなのに、 やっぱり、それが一番盛り上がるん…

日本には、ガンダムがあるじゃないか

「虹の彼方に・上」(100/144) 「虹の彼方に・下」(101/144) 日本には ガンダムが「ある」ということに 改めて、重ねて感謝 この作品の良さを どう伝えるべきなのか 非常に悩みます ガンダムだからこそ 人と人が戦い、殺しあう戦争というものを ここまで深く…

東京の田舎モンですから

「プリンセス・トヨトミ」(99/144) 京都、奈良もいいけど、 今度、一度、 ちゃんと大阪に行ってみたくなりました。 いつも通り、作品内容の前知識をなるべく排除して読み始めましたが、 まさか、こういう展開になるとは。 まさか、大阪の存在自体を「ホラ」…

頁から、音が聴こえる

「さよならドビュッシー」(98/144) 帯の妻夫木聡のコメント 〜思わず引き込まれて買っちゃいましたからね、クラシックのCDを〜 これなんだ、 このミステリ! 超超大技のトリックが仕組まれているんだけど、 読者は、 そこに気がつく余裕も無く、 というか謎…

面白いアイデアは、まだまだあるんだ

「13時間前の未来・上」(95/144) 「13時間前の未来・下」(96/144) タイムスリップもの。 既に映画化も決まっているとのこと。 納得。 古今東西、タイムスリップものには、 様々なスタイルが存在する。 過去に戻るのか、未来に飛ぶのか? どうやってスリップ…

X!

「キラレ×キラレ」(94/144) おっと、迂闊に読了しちまったぜい。 西之園さんに不意打ちされちまったぜい。 舞台は東京。 第一弾「イナイ×イナイ」、読まなくては。 職業は探偵。 でも、本職は美術品鑑定会社勤務。 そこで出てくる椙田さん。 ということで、…

圧倒的なプレゼンテーションです

「極北クレイマー・上」(92/144) 「極北クレイマー・下」(93/144) 海堂尊は吠える。 日本の医療の行く末を案じて吠えたぎる。 その姿勢は海堂の医系作品全体にあてはまると思うが、 本作の「熱さ」は尋常じゃない、と感じる。 舞台は北海道、極北。 以後、極…

俳句、面白いよ、想像以上に

「ライク・ア・ローリングストーン」(91/144) いつもお世話になっている俳句の「先生」、結社「街」主催・今井聖の一冊。 サブタイトル〜俳句少年漂流記〜の通り、 小学生からの今井聖の俳句遍歴が、 70年安保を背景に、 赤裸々に綴られています。 実は、私…

いつから「老い」は「害」になったのか

「夢は枯れ野をかけめぐる」(90/144) 最初に言っておきますが、 本作品は「老害」問題について語っているわけではありません。 でも、どうしても、意識せざる得ない、、、 から、敢えて、こういうタイトルにしてみました。 ご了承ください。48歳、「リストラ…

本格、いいね、新しいね、楽しいね

「パラダイス・クローズド」(89/144) 非常に面白いスタイル。 登場人物が、 登場人物に話しかけているようで、 実は読者にストレートに話しかけている気にさせる部分が、 散在している微妙なバランスの悪さ。 この不安定な揺らぎが「心地よい」のだ。 読者は…

次の人生では、刑事という職業を選択したい、と思う。

「シンメトリー」(88/144) 姫川玲子シリーズ。 7つの短編。 警察小説としての完成度、高し。 初出、「ストロベリーナイト」。 第二弾、「ソウルケイジ」。 と比較すると、かなり地味な展開。 でも、個人的な意見ではありますが、 地味な中でこそ、姫川の輝…

負けた読書(最終的に)

「ディスコ探偵水曜日・下」(87/144) 連休中になんとか読了。 でも、今回に限っては「読み切った」って感じかも。 とどのつまり、「了」出来ませんでした。 上中下のラスト600頁。 結局、なんとか理解できたのは未来の決着=「全ての訳」の部分だけ。 そこで…