趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2016-01-01から1年間の記事一覧

やっと「最近」になりました

「剣より強し〜クリフトン年代記 第5部・上」(123/144) 「剣より強し〜クリフトン年代記 第5部・下」(124/144) 1・2・3・4、そして5 前作から1年以上経過してるので ちょっと忘れかけていましたが やってきました 舞台は1970年代 やっと自分の把握して…

堕ちていく日本国

「ラスト・ワルツ」(122/144) D機関、4作目 より静かに、地味になって ますますクールな楽しみを読者に届けてくれます 今から5年前、衝撃を受けたジョーカー・ゲーム 海外で大活躍のダブル・ジョーカー スパイの美学満載のパラダイス・ロスト そして、そし…

あと一年で人生が終わるとしたら…という物語かと思っていたら

「神秘・上」(120/144) 「神秘・下」(121/144) これ、問題作です なんか、どう読めば良いのか分からない ページを捲るたびに 白石に 軽くあしらわれている感じがしなくもない ま、その、あしらわれている感が快感でもあるのですが この全てのピースが一つに…

名作を愉しむ夏

「ウッドストック行最終バス」(119/144) 1975年作品 処女作だそうです 最初から、こんなに飛ばしていたなんて… 何が凄いって 主人公の刑事・モースの 間違った推理とそこに至る過程が 赤裸々に描かれているのです 根本的な読み違いや 新しい発見による状況の…

拡大する世界

「黄金の烏」(118/144) やはり ただの「ラノベ風」ではありませんでした 最初、「烏に単は似合わない」 皇族(みたいな世界)のお妃争いがテーマでした 次、「烏は主を選ばない」 皇族の権力闘争がテーマでした 共に主人公のイケメン王子(?)を中心に繰り…

書かないという技

「神去なあなあ夜話」(117/144) 三浦しおんという人は 本当に優しいお話を 全く嫌味なく 全身全霊で書いてくれる稀有な作家さんですよね ふつう ここまで優しい話ならば どこか「鼻につく」箇所があるものなんだけど 見事に皆無 書かないテクニックとでもい…

不器用な娘

「霜の降りる前に・上」(115/144) 「霜の降りる前に・下」(116/144) 北欧ミステリの巨匠 ヘニング・マンケル ヴァランダー・シリーズ第9弾 なかなかシリーズ全通は難しいのですが… ま、気を取り直して 本作品は シリーズ主人公の父を追って 警察官になること…

初本谷

「自分を好きになる方法」(114/144) 痛い 初本谷、ザクリときました とある女性の物語です まあ、一般的には「面倒くさいオンナ」って奴です 16歳 28歳 34歳 47歳 3歳 そして63歳 各年齢でのとある1日を描きます 正直、3歳以外の彼女は全て 面倒な女性です …

確かに、下り坂、経験したいね

「キアズマ」(113/144) 圧倒的な自転車シリーズ 今回は アマチュア視線からの物語です 犠牲→楽園→生き残り この過酷なプロ三部作とは一味も二味も異なる本作 主人公は柔道をやっていた大学生 ふとしかきっかけから 強制的に大学の自転車部に所属するはめに …

この面白さ、もう理解不能、どうして

「泣き童子 三島屋変調百物語参之続」(112/144) 「おそろし」の時は『ああ、おもしろい』 「あんじゅう」の時は『百まで、死ねない……』 そして第三作です もう、どうしましょ、この面白さ 別に大した話じゃないんですよ とある訳あり娘が 様々な人が語る怪談…

舞台化、してぇ〜っ!

「戦闘妖精・雪風<改>」(111/144) ガチSFじゃないですか!? 神林、初読ということで お恥ずかし限りです… で、かなりビックリドッキリです 今、話題の人工知能の話を 今から30年前に 実に的確に描いています 敵は人間にあらず 彼らにもう価値は無し アニ…

エコノミックテクノスリラーって感じ

「タックスヘイヴン」(110/144) 橘、初読です 経済系の新書を多く書かれているんですね そんな著者の小説です 想像以上にエンタメしてました タイトルのタックスヘイブンに群がる 政治家 暴力団 成金 裏社会 そして、北 奴らと対峙する金融マン 犯罪ギリギリ…

嘘みたいな、ホントみたいな、でもウソみたいな

「ハピネス」(109/144) この作品が あの(ちなみに、この『あの』は小馬鹿にしている雰囲気でお読みください) 雑誌「VERY」に連載されていたとは… ホント!? やっぱ 桐野、かっこいいね ざくざく抉る姿勢は美しいです そして その担当編集者も かなり、か…

生きているみたいな小説

「未明の闘争・上」(107/144) 「未明の闘争・下」(108/144) 保坂、初読です 本作品の紹介文 「小説の概念をはるかに凌駕する傑作長編」 その通りです 生きているのに 明確で 他人に的確に説明できる理由なんて ありませんよね そもそも 産まれてくること自体…

もっとニヤリするためには、もっと努力が必要

「シャーロック・ホームズと賢者の石」(106/144) 五十嵐貴久コンプリート(あくまでも個人的)プロジェクト 第一弾作品です いわゆるパスティーシュです コナン・ドイル、否、ホームズに挑む 五十嵐の四つの作品 どれも 最後にニヤリ 流石です 中でも僕が好…

強すぎだよ。ここまで来ると、気持ち良いよ。

「暗殺者グレイマン」(105/144) 元CIAの暗殺者 グレイマン 凄い 凄すぎる 強い 強すぎる 金で動く暗殺者だけど 悪認定しないと仕事を受けない でも そのためならば 邪魔するやつらは殺しまくる そんな 矛盾の塊なところが グレイマンを「かわいいやつ」にし…

それでも、犬は苦手です…

「昭和の犬」(104/144) きた、直木賞 久しぶりかもしれません で、昭和の風景がそのまんま書かれている気がしました 本作品では平成のことにも触れていますが やはりメインは昭和です で、僕の知っている昭和は あくまでも後半戦でしかないことを 改めて思い…

真ミステリ

「去年の冬、きみと別れ」(103/144) 中村の作品なので いつも通り やり場のない気持ちの鬱屈した雰囲気を 淡々と読もうと思っていたのですが なんと 本作品ですが 読み終わってみたら 完全なミステリですよ びっくりですよ 中村ビギナーには ある意味オスス…

こういう作品を書ける人が日本にいることを忘れないでください

「アルモニカ・ディアボリカ」(102/144) あの傑作、「開かせていただき光栄です」から5年 また不可解な死体が発見された 18世紀のロンドン 相変わらず汚いこの町で 死体の謎を追ううちに あの事件後、失踪していた仲間との衝撃の出会いがやってくる なぜ!?…

えっ…(絶句)

「証言拒否・上」(100/144) 「証言拒否・下」(101/144) リンカーン(車です)の後部座席オフィスから脱し 本作品では ちゃんとした部屋で 弁護活動を展開できるようになったハラー これがシリーズ、1、2、3の4作目ですね サブプライムローンで被害を受け…

この恐怖

「リターン」(99/144) 最後の最後で 今まで読んでいた世界が 全て、あっけなく、ひっくり返されます この恐怖 読後、三分くらい経ってから来ます もう、何も書きません、書けません… 出来れば この作品の前段である「リカ」を読んでから どうぞ 五十嵐に、や…

美しく騙されたい

「この闇と光」(98/144) 綺麗な嘘です 最初から 胡散臭い雰囲気を適度にふりまく そして 徐々にその密度が濃くなっていく でも 嘘とは分かっても その真相はなかなか見えてこない 読む方は あーだこーだと考える で 謎が明らかにされた時 一喜一憂する でも…

人を殺すことによって獲得できること

「コルトM1851残月」(97/144) すげえ この設定は完璧でしょ 江戸時代 銃の持つ圧倒的なパワー 今の銃とは次元が違うわけです 神様、いや悪魔の力といっていいほどの巨大な力です そして、その武器がもたらす死が 何をもたらすのか 江戸時代だからこそ 実にリ…

北欧、行きたくなる、一度は

「ネメシス 復讐の女神 上」(95/144) 「ネメシス 復讐の女神 下」(96/144) ここまでくるかよ… 一体、何回、ひっくり返されたんだろう 凄いです、このサスペンス感 実はシリーズものだったんですね 前作で 主人公・ハリーの相棒が殺されて その犯人も警察によ…

人物設定の妙

「夢幻花」(94/144) ミステリとしては 王道でしょ 二つの線が交わる時 何かが起こる…的な展開です もちろん、東野なので 安心して、読めるし ちゃんとどんでん返しもあります 何が事件か 誰がメインか 不明なまま 物語は動き出します 自殺、殺人 それぞれ、…

宮部にしか書けない、何か

「ペテロの葬列 上」(92/144) 「ペテロの葬列 下」(93/144) この結末は… 衝撃でした 以下、ネタバレ含みます それにしても これは宮部にしか書けない作品です 出来れば 杉村三郎シリーズを順番に読んでください そっちの方が 衝撃度が増しますので で、事件…

ルックス、大事

「愚者の連鎖 アナザーフェイス7」(91/144) 今や唯一読んでいる堂場モノ なぜか、このシリーズだけは気にかかるのです ついに第7弾ですよ でも、また忘れてしまいました、5を… 今度こそ買います で、今回は 実はとても悲しい物語です 愚者、というよりは 読…

不可解な快感…

「すいかの匂い」(90/144) 思ったより昔の作品でした まだ二十世紀ですよ あの頃は良かったですね で、本作は11の短編で構成されています どれも とても怖い話ばかりです… といってもホラーではありません お化けや幽霊も出てきません 出てくるのは 子供が、…

優秀な高校

「高校入試」(89/144) 最初からテレビドラマ想定の作品だったんですね だから 湊にしては 非常にソフトでライトな内容でした 高校入試本番の 前日から当日深夜までの二日間の物語 前日に入試妨害を思わせる予兆がありつつ 入試、当日は ちょっとした事件が起…

ハイスピード御手洗潔

「星籠の海・上」(87/144) 「星籠の海・下」(88/144) きたよ 本格 文庫1,000ページ越え いいね 島田の作品らしく 読み始めは 一体、どこが舞台で、何が中心人物で、どんな事件なのか わからないまま 徐々に島田ワールドに引きずり込まれていく 瀬戸内海、福…