趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2015-01-01から1年間の記事一覧

芥川賞ノミニーからの

「ミート・ザ・ビート」(163/144) 読みました 新・芥川賞作家、 羽田圭介 5年前の作品 文庫の帯には「賞賛と酷評」 でも、芥川賞候補作だったんですね ざっと選評を読む限りは なぜ、この作品が最終候補に残ったのか不思議な気分にもなりますが… で、この終…

エンデュランス、知ってますか?

「天翔ける」(162/144) 甘く見てました 表紙を見て 馬が描いてあって 読み始めたら 小学生の女の子が出てきたから 馬の牧場での心温まる物語か もしくは女性ジョッキーに成長していくストーリーと思ってました 初めて知りました エンデュランス とりあえずwi…

言葉

「さようなら、オレンジ」(161/144) さてと… なかなか適切な言葉が打てません 感動という言葉では何かが足りないんです 衝撃的感動とでも言えば 少しは伝わるかも でも いいや 言葉の持つ力を こういう形で 知ることが出来て良かったです 読書を続けていると…

名探偵全否定

「論理爆弾」(160/144) ソラシリーズ第三弾 最初は父が逮捕され 次は探偵への第一歩を踏み出し 本作では、母の追跡を開始する で、ネタバレになるので書けないのですが これは凄い… 名探偵を目指す少女の物語での 名探偵の名推理という仕組みを根底からぶち…

殺人者の五感

「キングを探せ」(159/144) きた、本格 テーマは交換殺人 それも四重交換 やりすぎでしょ、法月 でも、法月だから、やるしかないよね まあ、法月なんで、安定感ありありです 安心して読んでください ちょっと面白かったのは ある登場人物の 殺人にいたるまで…

1908年にアクセス

「木曜の男」(158/144) オシャレ本屋でたまたま出会った作品 なんと1908年発表です 日本での初版は1960年 自分からは絶対にセレクトしないでしょう 無政府主義者の秘密結社と戦う人たちの物語 テロリストではありません 無政府主義者です かなりブラックな作…

やさしい道尾

「光」(157/144) 小学生5人 主人公はおとなしめな子供 お調子者と、その姉さんの二人姉弟 金持ちのチョット嫌味な奴 お祖母ちゃんと暮らす貧しい子 この五人が 道尾らしからぬ(笑)元気な普通の子供として 活躍しちゃうのです 物語全体には しっかりとトリ…

でも、年をとることは止められない

「もう年はとれない」(156/144) 80才を超えた 元刑事、バック・シャッツが活躍する爺ハードボイルド 爺だから言いたい放題、やりたい放題 こんな年寄り、身内じゃなかったら 本当に面倒だと思いますよ(笑) 一歩間違えば「老害」確定案件ですww 第二次世界…

僕は姫と王子に期待する

「烏は主を選ばない」(155/144) あの傑作から…はや1年強ですね 解説を読むまで 気が付きませんでした 同じ出来事を 別の角度から見ていた物語とは 解説の大矢博子の思いに 僕は完全にシンクロしました 本物だと思います でも、amazonの感想とか見ていると 予…

ジェットコースター的警察小説

「人質」(154/144) 北海道警察シリーズ 飛ばしたの、取り戻しました 笑って、来て、紋章、休日で、密売ときて本作です そして昨日の憂いに続きます さて、本作、小島が人質となります 場所はオシャレなワインバー そこで行われる小さなピアノのライブ その会…

警察官としての軸はブレずに…

「憂いなき街」(153/144) 北海道警察シリーズ もう7作目なんですね 笑って、来て、紋章、休日で、密売で で…、一作品、飛ばしてしまいましたが 何の問題もありませんでした 札幌のジャズフェスティバルが舞台 ピアニストの女性、奈津美と津久井が「恋に落ち…

僕の許容範囲を軽く超えてしまっているよ

「黙示・上」(151/144) 「黙示・下」(152/144) この作品は 自分の中で、どう収束させれば良いのだろうか いまだに分からない ある日、世界で、ほぼ同時に四機の旅客機が墜落した そして、その内、三機からは 奇跡的に子供が、一人、ほぼ無傷で助かった その…

理解は出来るが、やっぱ、共感は出来ないです…

「アニバーサリー」(150/144) 生物として子供を産むことが出来ない男性であり 子供もいなくて ましてや、結婚すらしていない僕にとって 本作品は 理解することで、精一杯でした 重いとか、意味不明とか そういうことじゃないんです もちろん、小説として、本…

輝かしい未来へ

「歓喜の仔」(149/144) 大丈夫です 700ページ弱、読み切ってください そこにある 希望の欠片に 心、打たれること、間違いないですから 安心してください 高校生・誠、小学生・正二、幼稚園児・香 三人のサバイバル 劣悪な環境の中 まさに「命がけ」の生活に …

男の恋愛物語

「Y」(148/144) 正午、初読では無かったんだ 本作品も書店の特集コーナーで知った本です 1998年発表のタイムリープもの 1980年から1998年 彼は永遠にこの18年間を 繰り返し、繰り返し、生き続けるのか… ネタバレにならないギリギリのラインで書きますと なん…

マティス、セザンヌ、ドガ、そしてモネ

「シヴェルニーの食卓」(147/144) 絵画を見るときは 出来る限り、文字情報・知識は排除して 純粋な「目」でみたいと思っていたのですが 本作を読んでみて 物語の一部を補完する絵画 という見方も 良いのかもしれない、と感じました 今回は珍しく家でじっくり…

恐い、恐い、恐い、恐い…読むべき

「残穢」(146/144) ドキュメンタリー・ホラーなんです 著者、小野を想起させる作家が主人公 その作家が 自分に届いた怪談話投稿の手紙の謎を 実に淡々と追い続けるお話し その様が ドキュメンタリーというかノンフィクションというか 読んでいて これは小説…

有終の美。そして次へ。

「カレイドスコープの箱庭」(145/144) 今年度も無事にノルマ達成 読書の出来る環境に、感謝です さて、バチスタを読んでから、8年も経つんですね ビックリです 田口、白鳥コンビのフィナーレは 正直、内輪受けかもしれませんが それでいいんです 海堂先生と…

不思議な気持ちになる物語

「彩乃ちゃんのお告げ」(144/144) 橋本紡、初読です 最近の作品でもないし なんでこの本を購入したのか 理由を全く覚えていない…という 不思議な気持ちで読み始めました で、内容も不思議な物語でした 小学五年生の「教祖」様、彩乃ちゃんを預かることになっ…

絶望したくないから、読むのだ

「世界の果て」(143/144) 著者、中村文則による解説から抜粋させていただきます (前略) 世の中に明るく朗らかな小説だけしかなくなったら、 それは絶望に似ているのではないかと個人的には思っている。 (後略) ※解説では「だか」は下線ではなく「``」…

福井晴敏のルール

「人類資金0」(142/144) 改めてのおさらいです なんとプロットと著者自らのコメントで構成された 横書き、つまり普通の文庫とは逆側から読み始めることができる 不思議な作品です 6から7まで、1年以上も間が空いてしまったので これで忘れていた様々な色々な…

不安なまま、ラストへ…

「神様ゲーム」(141/144) ビックリしましたよ 神様っているんですね これはあくまでも作品内での少年の虚言なのか 虚言の場合の理屈はどこにあるのか それとも 神様を神様と信じて良いのか 設定として素直に受け入れるべきなのか 読者として どの立ち位置で…

このタイミングでの読了…

「光圀伝・上」(139/144) 「光圀伝・下」(140/144) いやや ビックリしましたよ 上下で文庫1,000頁超えの超大作を まさに読んでいる途中でのアノ事件発覚 真相はいかに さてさて あの「水戸黄門」の物語です ドラマの設定は全くのインチキということは知って…

待ったよ、やっとだよ

「人類資金7」(138/144) 一年以上、遅れたのかな その辺の事情、知っているならば 誰か教えてくださいっ! 1→2→3→4→5→6までは まあまあ順調に進行してましたが やっとここまできました 7 そうラスト、文庫700頁、厚く、熱い 世界を変えるための ルール…

(言い方悪いですが)女って、怖い

「母性」(137/144) ああ、怖かった これは怖かった 母であること 娘であること 女性は一生「娘」であることが可能なのかもしれない そもそも「母」に向いていない人がいる悲劇 父であること 息子であること 男性は「父」になることを義務付けられているのか…

たまにはホンワリ

「なきむし姫」(136/144) 重松も こんなにスィートな作品を書くんですね 懐の深い作家です でも、やはり、重松 微妙なラインで 作品を読者に丸投げします この先は、あなたにお任せしますよ、と 絶妙です 単身赴任で妻は息子と娘の三人暮らしをはじめます す…

性と性器

「親指Pの修行時代・上」(134/144) 「親指Pの修行時代・下」(135/144) 1993年の衝撃の名作に出会えたのは 渋谷の地下の書店での コーナー展開のおかげです 本屋、重要、ありがとう で、本作品をギュっとまとめると 右足の 親指が ある朝、突如 指ではなくペ…

こんな風に…

「新月譚」(133/144) こんな風に人を好きになれたら… こんな風に人に愛されたならば… 文庫600頁超え これは狂気のラブストーリーなのか 文庫の帯には 大きく「地獄」の文字が躍る この厚き物語の 結末を 僕は美しいと思ったが そうだろうか とある人気作家の…

渾身の一撃

「鍵のない夢を見る」(132/144) これで直木賞です 選考する方も(褒め言葉としての)ズルいですね ココから、多くの人に、辻村作品を読ませようとするなんて ちょっと、 巧み ここから入って「くじら」とかにぶつかったら 一生、離れられなくなることでしょ…

ソリッド且つ残酷

「フライ・バイ・ワイヤ」(131/144) 石持ならではの 冷静に考えればかなり無茶な設定 でも、読んでいると 実に普通に思えてくるから不思議だ 石持マジック 高校にロボットの転校生がやってきた はい、注目 この強引な状況設定 ここから始まります ロボット以…