2015-01-01から1年間の記事一覧
「ならずものがやってくる」(130/144) これは難しい この自由な発想 どうやって掴み取れば良いのか ストーリーを追うことに慣れてしまった僕の心に ガツンとかましてくれました 読書とは 本当に自由だけど それだけ読者に依存しているのだな、と 13の小さな…
「噂の女」(129/144) 「すご腕の」女の生き様、を主軸に読むか 「救いようのない」地方社会の実態、を噛みしめながら読み進めるのか 高校生までパッとしなかった「女」が 地方、いや、田舎、や、ドイナカに生息する「ダメ男」を 利用して、捨てて 活用して、…
「ジャイロスコープ」(128/144) 7つの短編 伊坂ワールド、全開というよりは 今回は「牽制球」って感じかな ま、巻末のインタビューが一番ドキドキしてしまうという事実 …ま、そういうこともありますよ そんな、緩い気分で読める伊坂 でもね それは表面上だ…
「傘を持たない蟻たちは」(127/144) 本当に久しぶりに 自分の意志で購入したのではなく 本好きな知人から頂いた作品を読みました やっぱ、この手の作品は どうしても「偏見」が先だって なかなか読まないのですが いや、これ この肩から力が抜けた感じは、心…
「双頭のバビロン・上」(125/144) 「双頭のバビロン・下」(126/144) 世界観、登場人物、設定、そして分量 全てにおいて 一般生活を越えた壮大なスケールで描かれる まさに大作 もちろん、日常の機微や耐え難い現実を表現する作品も面白いです 何気ない自然な…
「ナイト&シャドウ」(124/144) 今度はシークレット・サービス(SP)か 柳ならば信頼できると思って読んでみた その信頼に十分に応えてくれた 時代設定が20世紀末期というのが良い 所謂ハイテク機器がそれほど発達していない時代背景が 生々しいドラマを作り出…
「何者」(123/144) 直木賞まで待とうと思って 今まで、我慢してきた朝井リョウ やっと、文庫化 で、読みましたよ 就活に挑む5人の男女の物語 僕の就活は今から24年前 インターネットもSNSも、携帯電話すらない時代で良かった つくづく感じる 自分は当事者…
「リカーシブル」(122/144) よくいうジェットコースター的小説の真逆 結末に向かって突き進むのではなく どこに向かっているのかが分からない それも、迷走って感じで振り回されるのではなく 自分では着実に進んでいるはずなのに 迷っていないのに 何かしっ…
「ホテルローヤル」(121/144) やっと読めたぞ、直木賞 で、やっぱ、直木賞、迫力満点です 先に言います 必読でしょ 北海道のラブホテルを取り巻く人たちのお話し 7編の連作集 さりげなく、切なく、優しいヒューマンドラマなのですが 時系列が逆につづられて…
「オーダーメイド殺人クラブ」(120/144) やっぱ、辻村深月、好きだ 本作は「中二」の男女の物語 自分を殺してと 女子が男子に依頼する 「記憶」に残る殺され方・殺し方を二人で一緒に考える 歴史的な美少女被害者 歴史的な少年A になるための作戦会議だ 学校…
「スカル・ブレーカ」(119/144) 『 生きるとは負け続けること、死ぬとはもう負けぬこと』 この一文が全てでした マヂで 生きるために負ける 一時の感情を抑えて 命の為に負けを選ぶ勇気と知性 学びました ヴォイド・シェイパ シリーズ、三つ目 主人公ゼンの…
「七時間半」(118/144) 1960年の日本へ 心も体もあっという間に瞬間移動! 新幹線が出来る前に書かれた 東海道線、東京=大阪間の七時間半の車中へ… いや、素敵な作品です みんなが生きている ホント、生きている 当時を振り返って書かれているのではなく 当…
「ソラリス」(117/144) 読み続けられる名作の貫禄十分 正直、貫禄負けしてしまいました 気合い入れて読まないと 作品の力に押し潰されますね SFの名作 1961年に書かれたのに そんなに古い感じがしない というか、時の流れが感じられない不思議な雰囲気 これ…
「夏の花火と私の死体」(116/144) 解説で こんなに衝撃を受けたことは今まで無かった… いや、驚愕 呆然自失というのは、こういう状況のことを指すのでしょう 書店の企画コーナーで「本の雑誌が選ぶ40年の40冊」とうコーナーがあって 今まで未読の作者の作品…
「一路・上」(114/144) 「一路・下」(115/144) 珍しく時代物、読んでみました ま、吉田修一の「路」に引っ張られて 何となく購入してしまったのですが… 江戸末期 参勤交代の話です 突然、父が死んだ 代わりに何の知識もないままに 参勤交代を仕切らなければ…
「白砂」(113/144) 実に真っ直ぐ 警察モノのお手本でしょう 殺人事件を解決していく過程を 丁寧におっていくストーリー 都内の質素なアパートの一室で 女性が殺害されていた 男女間の金銭トラブル? いや、何か違う ベテラン刑事、目黒は別角度から事件を洗…
「整形美女」(112/144) そうなんですよ 美人とは何か ブスとは何か あなたは明解に自分の意見を述べることが出来ますか!? 僕は職業上の都合で 世の中で美人というカテゴリーに分類される女性たちを 数多く見てきています 同じく ハンサム(イケメンじゃない…
「最後の命」(111/144) こう、終わるか 死なないんだ 殺さないんだ 死ねないんだ 殺せないんだ そうだ、終わらないんだ 物語の設計図を抜き出せば 実に良くできた サイコミステリということになるのだろう 幼少期から 過激な体験を共有しつつ大人になってい…
「サファイア」(110/144) 湊らしくない 心優しき物語 がギュっと詰まってます ま、「湊らしさ」って何かという問題がありますが 今回は短編集ということもあるのでしょうか 心優しいだけではなく 読者に対する優しさも感じました 読みやすいです でも、もち…
「あの女」(109/144) オカルトな物語だな、と読み始め 一番怖いのは生きている人間だという結末に落ち着く 女は怖いな、と思いつつ 男もどっこいどっこいだなという結論にたどり着く ちょっとネタばれかもしれないけど 物語をストーリーを追うことをせずに …
「鮫島の貌」(108/144) 今年、ベストじゃないかな、これ あと半年残っているけど なかなか、これを越えるのは難しいかも でも、誰にでもオススメできる作品ではありません 新宿鮫シリーズを 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10まで 全部読んでいる方限…
「路」(107/144) 実に「小説」してます いや骨太の物語 台湾における高速鉄道、所謂「新幹線」建設を軸に それに関わる商社勤務の女性、春香を中心に それに直接係る人たち それを見守る人たち それで人生の岐路を迎えた人たち 様々な人たちの人生、つまり生…
「ちょうちんそで」(106/144) ちょっとヤバい女の人 主人公、雛子 架空の妹と会話をしている 雛子の過去をたどっていく それだけでもドラマチックかもしれない 夫と子供を捨てた過去 駆け落ちの末、失踪した妹 でも、そんな過去を持つ女の周囲では ごくごく…
「その白さえ嘘だとしても」(105/144) 階段島シリーズ、第二弾 ファンタジーと見せつつ 実にオーソドックスなミステリ がしかし きっと謎解きがメインではない 謎解きをする、巻き込まれる登場人物を描きたいだけ 描写の手法が ラヴストーリーではなく 階段…
「リボン」(104/144) おばあちゃんの頭の上で 鳥の卵を孵化させる話からはじまるなんて… もう、ずるい 卑怯だよ だって、それ、もう良い作品決定フラグでしょ そんな突拍子もない物語は 孵化したオカメインコを中心に進んでいきます さまざまな人間に出会う…
「高速の罠 アナザーフェイス6」(103/144) ああ、情けない シリーズ前作を飛ばしてしまった… 1→2→3→4→0→本作6… それも前作では かなりショッキングなラストだったようで… ああ、ネタバレだ 最初からネタバレだ 5、とりあえず読まなくちゃね 前作のショッキン…
「私と踊って」(102/144) 贅沢すぎる短編集だ… 19個の世界にフェードイン ミステリ、SF、ホラー 現実世界からチョットだけずれ込んだ 歪んだ現実に 短い時間だけ没入 短編だからすぐに読めて、すぐに入り込めるけど その深さは甘く見ちゃイケナイヨ 表題作「…
「沈黙のひと」(101/144) ほぼ小池真理子を読んだことないから すーっと入ってきたけど 愛読者はまた違った角度で読んでるんだろうな 恋愛小説の大家、ですよね その彼女が描く父 あ、そういう角度か… 読後、持田序叙子の解説を読みながら再認識したりして …
「ストレイヤーズ・クロニクル Act.3」(100/144) ネタバレになるので 詳しくは書きませんが 本線の巨大な物語よりも 暗殺者にまつわるサイドストーリーの方が 熱かった… 掌を足で踏みつけるシーンは グっときました この時 どんな表情で痛みを我慢していたの…
「切り裂きジャックの告白」(99/144) あの切り裂きジャックが東京に 臓器が抉り出された死体 悪夢の連続殺人事件 実にオーソドックな警察ものミステリ 異常な事件 異常な犯人像 そこにミスリードされないように 強烈な自制心をもって操作に挑む刑事・犬養 異…