趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2012-01-01から1年間の記事一覧

冷たい闘い

「ダブル・ジョーカー」(127/144) クールなD機関シリーズ 前作に増して クールです 表題作「ダブル・ジョーカー」は D機関を率いるスパイマスター結城の存在を疎ましく思う 対抗勢力との暗闘が描かれてます 帝国陸軍の忠実なる僕、風戸 彼も彼なりに努力しま…

悪意と善意、湊かなえと辻村深月

「贖罪」(126/144) ホント、一気読み 湊の手法は やっぱり、一級品だね 圧倒的に、絶対的に 読者を前のめりにさせる文字の流れを眺めているだけで、、、 気持ち良すぎです で当然、手法だけじゃないですよ 中身も胸にささる この感覚、辻村深月と近いと思い…

京都、要注意

「宵山万華鏡」(125/144) 宵山とは? 京都、祇園祭の本祭(山鉾巡行)の前日に行われるイベントのことらしい すいません、正確な知識の無いまま 読み始めてしまいました 正直言って、祇園祭の開催時期する把握してません 申し訳ありません、、、 でも、本作…

上巻、そして下巻

「アリアドネの弾丸・上」(124/144) 「アリアドネの弾丸・下」(125/144) 本作品は多分 上下巻にわかれた 文庫で読むべき作品なのではないだろうか 上と下で様相は一変する ポリティカル&パワーゲームと思いきや 一気に冤罪サスペンスミステリに!? その切り…

無理矢理は無理

「無理・下」(123/144) この前に読んだ「水神」とのギャップに ある意味、感動 人は2カテゴリーに分類されるんですね、きっと 我慢が出来る人と 我慢が無理な人に 水神の主人公は前者 無理の登場人物の大半は後者 以下、ネタバレに突入します 究極の問題解決…

夢、希望、皆無。完全に皆無。

「無理・上」(122/144) こんな暑いときに なんで こんな最悪な人間、環境、社会が描かれる作品を 僕は 読んでいるのだろう そして 読むのが止められないのだろう そう どうして この作品は面白いのだろう また奥田の魔の手に まんまと絡み獲られてしまったよ…

幸せって、何だろう

「水神・上」(120/144) 「水神・下」(121/144) 前知識無しで飲み始めて驚き 江戸時代? 越後川? 百姓? 時代物なんだ そもそも帚木蓬生の作品もほとんど読んだことがない。 リアルな方言で交わされる「会話」に戸惑いつつ 読み始めたのですが、、、 いや、…

不思議な桐野

「IN」(119/144) 不思議な作品だ こんな嫌な恋愛を したくなる気持ちが とっても理解できる気がする 完全に桐野に騙されているのか?? そうじゃないだろう 作家の話だ 女性作家、鈴木タマキは 自分の「W不倫」に対する気持ちの整理をするために 作品を書こ…

ちゃんとしたエッセイ

「ザ・万遊記」(118/144) ちゃんとしたエッセイ読むの 何年ぶりでしょうか? ってくらい、エッセイ「嫌い」なのに 読んでみました で、新たなる(って、全く新しくないけど)発見 作家さんのエッセイって その人の人となりがわかるから その人の作品の「肝」…

実は、もの凄い、ラブストーリー

「追撃の森」(117/144) 村上春樹の「呪縛」から 解き放ってくれる作品を・・・ と選んだのが、はい、ディーヴァーです! さすがです夜、山奥の湖近辺から不可解な緊急通報が 確認のために保安官補が向かう そこには死体が・・・ そして殺し屋に襲撃される そ…

村上春樹が村上の春樹である所以

「1Q84 BOOK3 前編」(115/144) 「1Q84 BOOK3 後編」(116/144) あぁ、読み終わってしまったか この、読後感 これは、なかなか味わえません 村上春樹は やはり、村上の春樹なんですね 理解する必要がない 読んでいる、ただそれだけで 何かが頭に、心に、体にし…

この悦び、楽しさ、心の振れ幅

「1Q84 BOOK2 前編」(113/144) 「1Q84 BOOK2 後編」(114/144) さて、BOOK2です 様々な謎が解き明かされると同じ速度で 決して理屈では解決できない事実が出現してきます でも、物語の筋を追う意味は ここにきて かなり低くなってます 月が二つ それでいいん…

超絶おもしろい

「1Q84 BOOK1 前編」(111/144) 「1Q84 BOOK1 後編」(112/144) なぜに、これほど、面白くて、ひきこまれるのか 自分でも、 訳がわからないっ! やっと、これを読み始めましたよ 一気読みしたいから 文庫、全部出るのを待ちつつ、 未読在庫を処理して そしたら…

心の欠片、魂の断片

「The Indifference Engine」(110/144) 伊藤計劃の短編集 2009年に逝ってしまった伊藤計劃の何かがここにある 正直言って 彼の作品 理解出来ない部分の方が多いです もっともっと読み込めば 何か、ハッキリと見えてくるのでしょう でも、いいんです 彼の残し…

映画館に行こ

「キネマの神様」(109/144) まず、アドバイス 映画好きな人ならば絶対に(!)見ている作品なので良いのですが この小説を読む前には やはり「フィールド・オブ・ドリームス」を見ておくべきです 映画にまつわる物語 名画座、中学生のころは毎週行ってました…

そっか、そういうのもアリだよね、と納得

「カンナ 天草の神兵」(108/144) シリーズ第二弾 聖徳太子から天草四郎に時は駆け上がる 島原の乱、 本当は何が起こっていたのか? それが今回のテーマ そこに死体が3つ・・・ それが事件 一作で失踪した男が島原にいる!? そんな情報をもとに 忍者の末裔…

重苦しさの中の光

「アイアン・ハウス 上」(106/144) 「アイアン・ハウス 下」(107/144) 久しぶりに 一筋の光明を見ることのできる作品を読んだかも どれだけ悲惨でも 救いはあるんだよというメッセージ 無限の暗闇の中で 物語は終結すると思いきや… 孤児の兄弟の物語 兄はと…

素敵すぎる・・・恩田ミステリ

「訪問者」(105/144) 恩田陸の 舞台的な 板の上で展開されるような ミステリ そもそも演劇大好きな僕にとっては もう、そりゃ、堪らないわけで・・・ 山奥の 湖に面した お屋敷で物語は始まります 後に、がけ崩れで、密室系になるのですがね・・・ そこに、…

ハムのプライド

「凍土の密約」(104/144) だいたいの警察小説では 公安は「悪者」として描かれる 情報を共有しない 捜査に協力しない 勝手に動く でも、それには、彼らなりのルールがあり そして美学があるのだ 今野の作品、久しぶりに読みました たくさんありすぎて どれ読…

普通に、本格に、ミステリであり

「妃は船を沈める」(103/144) 有栖川の火村もの 実に普通のミステリ 美しく、怪しき、魅惑の「女」が登場する ベースに存在する 三つの願いを叶えてくれる「猿の手」 二つの殺人事件があります 車で水死と 銃殺と それぞれの犯人の訳が いいんだよな〜 本格…

ああ、おもしろい

「おそろし 三島屋変調百物語事始」(102/144) 文庫の帯に書いてある通り 江戸中から集められたふしぎ話が、 娘の傷ついた心を溶かしていく。 それだけの物語です。 でも、それが良いのです。 読者の心も 江戸の町並みに、心やさしく溶けて行くのです。 五つ…

全てが大きな流れの中の出来事でしかない

「ブレイズメス1990」(101/144) 医療、というか医療行為、病院に関する「危険」なメッセージ それをエンタテインメントで表現する海堂 ほれぼれする面白さ 一気読みでした、やっぱり 今回のメッセージは ビジネス、いや、「金」と医療の問題です。 日本の医…

嬉しくなる読書

「タカイ×タカイ」(100/144) 久しぶりに森博嗣 イナイ キラレ そしてタカイ Xシリーズ、絶好調 会話の切れ味が増してます 女子大生の永田さんがサイコー 真鍋をやっつけるには、この手しかないのだ! 小川も良い感じ 鷹知も絶妙 Xシリーズ、とてつもない方向…

銃を捨て、病原菌をバラまき、鉄と出会い

「銃・病原菌・鉄 上」(98/144) 「銃・病原菌・鉄 下」(99/144) 頭、疲れ 知的に、興奮 たまにはノンフィクション、学術的な作品も良いですね なぜ、地域「差」が生まれたのか 13,000年間の流れの中で 非常に科学的なアプローチ 家畜に関する所は白眉 物事は…

サラッとした熱さを抱いて、思いは江戸に

「天地明察・上」(96/144) 「天地明察・下」(97/144) やっと文庫だ 嬉しいな 速効読みでした 江戸時代前半戦、17世紀 算術のめぐる物語は 世の中を支配する「暦」というシステムに昇華する 主人公、渋川春海のドラマは 渋谷の金王八幡神社でスタートする 将…

シンクロする読書

「カンナ 飛鳥の光臨」(95/144) QEDシリーズは一作品しか追えていません。 それも6年前・・・ だから、今回は、手遅れになる前に 高田新シリーズにキャッチアップするつもりで、 読んだところ、 何と、またもやシンクロです。 解説、辻村深月。。。 このシリ…

女の憎悪は果てしなく

「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」(94/144) 辻村深月は、本当に読むべき作家だと、 あらためて思いつつ、 本当に「背筋が凍る」作品だった。 やっぱ、女は怖いよ。 そして、理解不能だよ。 女同志のどうしていいのか分からなくなるような憎しみのキャッチボール…

難解だぜい

「オブ・ザ・ベースボール」(93/144) いや〜、久しぶりに、難しかった 芥川賞作家、円城の頭脳に近づくには まだまだ修行が足りないようだ 表題作、物凄い話です 人が降ってくる町にいる レスキュー隊員の話し とにかく理由はない とりあえず人が降ってくる …

ホラー文庫、です

「粘膜蜥蜴」(92/144) ホラーです どちらかといえば苦手ジャンルです でも 読まず嫌いは良くないから 書店で何となく気になった作品です 舞台は昭和の初め、なのかな? まあ、理詰めで考えても意味無しです ホラーという世界の中で フワフワとオドろオドろし…

うまい文章を書く人が書くうまいミステリ、当然

「花と流れ星」(91/144) 真備シリーズ。 背、爪ときて、今回は短編、五つ。 霊現象探究所に舞い込む「小さな」事件。 そこに潜む「心の傷」。 少年の心。 師匠の魂。 少女たちの確執。 娘の苦悩。 爺の絶望。 その傷が心霊現象として露出し、 その謎を「解く…